自動運転支援システムにおけるドライバーと自動車の相互関係に関する研究プロジェクト。スウェーデンのスウェーデン国立道路交通研究所(VTI)が主導しており、欧州11カ国から30の企業・研究機関が参加する。
先進型の自動運転支援システム(ADAS)では、ドライバーへの情報提供や警告、場合によっては運転操作への介入により、道路交通の安全を向上させることができる。今回のプロジェクトでは、ADASが自動車の走行状況や交通情報、天候情報だけでなく、ドライバーの疲労感やストレス、怒りや悲しみなどの感情による影響、注意散漫といった体調・状況に配慮したADASの開発に取り組む。乗用車だけでなく、トラック、バス、自動二輪も対象としている。
実施期間は2016年9月1日~2020年2月29日までの3年半。予算は約960万ユーロで、このうち、欧州連合(EU)が約900万ユーロを拠出している。VTIが調整役を務めるプロジェクトではこれまでで最大規模という。
同プロジェクトでは、例えば、ドライバーによる運転と自動運転システムの切り替えを適切に行うタイミングの判断などに関する研究を計画している。安全性を向上させるための運転支援システムの開発を目指しているが、長期的には、より環境にやさしい交通への寄与も目指している。
プロジェクトには、11カ国から民間企業や大学、研究機関などが参加しており、スウェーデンからは自動車安全システム大手のオートリブ、商用車大手スカニア、ウプサラ大学などが参加している。日系では、デンソーのドイツ法人(Denso Automotive Deutschland)が参加している。