Digital Experience Foundry

独高級スポーツカーメーカー、ポルシェのデジタル技術子会社ポルシェ・デジタルがシュツットガルトの北に位置するルートヴィヒスブルクに開設した新拠点の設置したシミュレーションルーム。自動車関連のデジタル製品・サービスのプロトタイプ開発に活用することができる。

シュツットガルトの新興企業Home-iXとの協力により、約30平方メートルの大型ディスプレーを設置した。例えば、空港、年収20万ユーロのポルシェに乗る男性のリビングルーム、といった状況を設定し、現実に近い状況でデジタル製品・サービスを試験することができる。開発の早い段階でシミュレーションを行い、開発を最適化することができる。ソフトウエア開発者やユーザー体験(UX)デザイナー、ポルシェ・デジタルと協力関係にある新興企業などが同システムを使用する予定。

独業界紙『オートモビルボッヘ』によると、ポルシェは将来、車だけでなく、顧客の生活全般に関わるサービスを提供していく方針。ポルシェのアプリ「ポルシェ・ゴー(Porsche GO)」を使って例えば、飛行機とレンタカーを組み合わせた移動プランを計画したり、ホテルの予約や出張費用の経理処理なども行えるようにするサービスを視野に入れているという。

同紙によると、ルートヴィヒスブルクの新拠点(1万5,000平方メートル)には先ごろ、従業員約60人が移転した。数カ月以内にポルシェからさらに600人が移動してくるという。デジタル分野の従業員を新拠点に集約し、連携を強化する。

「Digital Experience Foundry」は、顧客との共同開発やワークショップ、スタートアップピッチ(新興企業が投資家などに製品やサービスなどを説明するイベント)などにも活用する計画。