独自動車大手のアウディがこのほど開催された上海モーターショー(4月16~25日)に出展した電気駆動のショーカー。コンパクトカーの大きさで、外観のラインはアウディが2017年に発表した自動運転による長距離走行を想定したスタディモデル「AIcon」に類似している。内装は、自動運転により、車内での過ごし方が変わることを想定し、自宅、職場に次ぐ「第三の生活空間」となる未来的なデザインとなっている。
外観は、コンパクトカーの大きさで、全長4.30メートル、幅1.90メートル。ホイールベースは2.27メートル、高さは1.52メートル。後輪駆動で出力は125kW(170PS)。電気駆動ではセンターコンソールがなくなるなど、従来と異なるデザインが可能になるため、内装はコンパクトカーよりワンランク上の広さを確保した。
自動運転機能は「レベル4」を装備する。人工知能(AI)や機械学習を装備しており、乗員とのインテリジェントな交流(インターアクション)を可能にしている。モデル名「AI:ME」は、AIを活用したユーザー(ME)とクルマとのパートナー関係を表現している。
「AI:ME」では都市部での走行を想定した。自動運転機能は「レベル4」のため、「レベル5」の自動運転を想定した「AIcon」とは異なり、ハンドルやペダルがついている。なお、操作機器は、エレガントで洗練されたデザインコンセプトに組み込まれており、ハンドルも木目調のケース内に隠れるような設計となっている。
アウディは、特定のユースケース(Use Case)を想定したビジョンカーをこれまでにも発表しており、「AI:ME」は、2017年のフランクフルトモーターショー(IAA)でデビューした「AIcon」、2018年夏に発表したスポーツカー「PB 18」に続く3番目のビジョンカーとなる。
「AIcon」は、自動運転による長距離走行を、「PB 18」は、時折サーキットに出かけて楽しむことを想定した。アウディは2019年9月のIAAで4番目となるビジョンカーを発表する予定。