水素燃料や燃料電池技術の普及促進を目指すドイツのイニシアチブ。1月25日にベルリンで、連邦交通デジタルインフラ省の関係者やイニシアチブのパートナーが出席し、大規模なキャンペーン活動を開始するキックオフイベントを開催した。俳優、作家、環境保護活動と幅広い分野で活躍するハネス・イェニッケ氏を大使に迎え、ドイツ全国で大規模な広告キャンペーンを展開する計画だ。
同イニシアチブでは、ドイツ政府が進めるエネルギー転換政策を経済面で成功に導くためには、水素燃料や燃料電池技術の普及が不可欠であるとの考えから、水素を動力源とする燃料電池車や、水素供給スタンド、建物に熱エネルギーや電力を供給する熱電併給(マイクロコジェネ)システムの普及促進を支援する。
ドイツでは水素供給スタンドの普及を目指すドイツのイニシアチブ「H2 モビリティー」が2013年9月30日、国内の公共の水素供給スタンドの数を2023年までに400カ所に拡大する計画を発表した。
このほど開始したキャンペーン活動では、ベルリン、シュツットガルト、ミュンヘン、デュッセルドルフ、フランクフルトの空港で大規模な広告を展開するほか、オンラインメディアやソーシャル・メディアでも広告活動を実施する。
イニシアチブには、自動車大手のダイムラーやBMW、アウディ、トヨタ自動車の欧州法人や、工業ガス大手のリンデ、石油大手のOMVやシェルのドイツ法人、ドイツ水素・燃料電池国家組織(NOW)、クリーン・エネルギー・パートナーシップ(CEP)、ドイツ機械工業連盟(VDMA)の燃料電池作業部会などが参加している。