独自動車大手のダイムラーが7月25日に傘下の超小型車ブランドであるスマートでの試験導入を発表したトランクへの小包配送サービス。オンラインショップで購入した商品の配送先をスマートのトランクルームに指定できる。独郵便・物流大手ドイツポストDHLの小包配送サービスDHLパケートと協力し、国内の複数の都市で試験的に導入する。
まずは、ベータ版サービス(開発中の段階で実際に使用して評価してもらうためのお試し版)を今秋から、シュツットガルトで実施する。数カ月後には、ケルン、ボン、ベルリンでも開始し、国内の計7都市に同サービスを広げる計画。各都市で数百人の参加者を募る予定。なお、同社は2015年にすでに国内で被験者約30人の協力を得て実証試験を実施している。
同サービスの利用者は、スマートが開発したアプリでトランクルームを開錠するための認証番号(TAN)を作成する。配達員はこの番号を使用して一定の時間内に一回限り、トランクルームを開錠することができる。トランクルームに返品の小包を置き、配達員に回収してもらうこともできる。
ベータ版サービスの参加者には、同サービスの利用に必要な車載機器「コネクティビティ・ボックス」をディーラーが無料で設置する。スマートは9月から、「コネクティビティ・ボックス」を設置済みの特別モデル「フォーツー・レディ・トゥ・エディション」の販売を開始する。販売価格は1万5,930ユーロから(ドイツ、付加価値税19%込みの小売り希望価格)。
スマートは先頃、都市部における移動(モビリティ)に関する新しいサービスを開発する社内シンクタンク「スマートラボ」を立ち上げた。「スマート・レディ・トゥー・ドロップ」はスマートラボが開発した最初のサービスとなる。同社では今後さらに、新たなサービスを開発していく方針を示している。