スウェーデン南西部のボロースに8月21日に開設した総面積200万平方メートルのフルスケールの自動車性能試験場。アクティブセーフティーテストエリア(Asta)と交通事故による死亡者および重症患者をゼロにすることを目指すスウェーデン政府のビジョンを組み合わせて名付けられた。
公的機関、民間企業、研究機関が協力した官民パートナーシッププロジェクトで、建設投資は5億スウェーデンクローナ(約5,450万ユーロ)。地方道路やシティーエリア、多車線道路、高速エリアを設けており、さまざまな環境で開発中の安全システムや高度交通システムの試験を現実に近い状況下で実施できる。
世界の自動車メーカーや部品メーカー、公的機関、大学、研究機関、認証機関などの利用を見込んでおり、国際的なプラットフォームになると期待されている。所有者はSPスウェーデン国技術研究所およびチャルマース工科大学。
ボロースはイエーテボリの東に位置し、試験場はランドヴェッテル国際空港から車で約30分の好立地にある。試験場は一年中利用でき、同試験場ではホテルの予約やケータリング、イベントの手配などのサービスも提供している。
舗装道路の面積は25万平方メートル。地方道路で突然動物が飛び出してくるような状況や、都市部での環状(円形)交差点やT字路などでの性能試験が実施できるほか、4車線道路と高速エリアが連結しているなどさまざまな交通状況に対応できるようにした。交通事故を未然に防ぐアクティブセーフティーシステムやコネクテッドカー(ネット接続型自動車)などさまざまな技術を試験できる。
同プロジェクトは、欧州連合(EU)の欧州地域開発基金(ERDF)やスウェーデン・イノベーション・システム庁(Vinnova)、ボロース市などが資金面で支援したほか、スウェーデンの自動車産業界からは、ボルボ・グループ、ボルボ・カー・コーポレーション、スカニア、オートリブなどが参加した。