長距離を走行する大型トラック向けの高性能充電インフラに関するドイツの産学連携プロジェクト。9月27日にキックオフイベントが開催された。
ドイツ連邦交通・デジタルインフラストラクチャー省(BMVI)がこのほど発表した気候にやさしいトラック駆動技術に関する3つのイノベーション・クラスターの一つに位置づけられる。
大型の電気トラックの運用には高性能の充電設備が必要となる。今回のプロジェクトでは、メガワット充電システム(MCS)を備えた2つの高性能充電ポイントを4カ所に整備し、実際の物流業務に使用する。将来の全国規模での展開に向けて、充電設備の整備や運営に関する知見を集めることが目的。
実施期間は2021年9月から2024年末まで。プロジェクト予算は総額2,700万ユーロで、うち1,200万ユーロの助成を受けている。
フラウンホファー・システム・イノベーション研究所(ISI)がコンソーシアムの調整役を務め、P3 Automotive GmbHがプロジェクトを主導する。
具体的には、ベルリンとルール地方の間の高速道路A2号線沿いのサービスステーション2カ所と、物流センター2カ所に充電インフラを整備する。最初のフェーズでは、コンバインドチャージングシステム(CCS)を整備し、次の段階ではMCS技術を備えた高性能充電ポイントを整備する計画のため、当該プロジェクトを通して、4カ所に計8つの高性能充電ポイントを導入する。
プロジェクトには、ダイムラー・トラック、MAN、スカニア、ボルボ・グループのトラックメーカー4社のほか、充電設備を提供するABB、Heliox、Siemens、充電インフラを運営するEnBW mobility+などが参加している。また、ベルリン工科大学、ドルトムント工科大学、バウハウス・ヴァイマール大学のほか、フラウンホファー・労働経済・組織研究所(IAO)も協力している。