照明技術を活用した自動運転車のコミュニケーション技術の開発に取り組むドイツの産学連携研究プロジェクト。自動運転車が歩行者や自転車などの他の交通参加者とコミュニケーションを取る方法について研究し、試験場で実証試験も行う。
当該プロジェクトは、2021年4月に開始した。研究期間は3年。研究機関からは、カールスルーエ技術研究所、フラウンホーファー・オプトエレクトロニクス・システム技術・画像処理研究所(IOSB)、ヴュルツブルク交通科学研究所(WIVW)、ザールラント大学が参加しており、民間企業からは、ヘラーのほか、Electric-Special Photronic Systeme、version1が参加している。また、ドイツ連邦経済・エネルギー省がプロジェクトを資金支援している。
交通参加者は、道路を横断する際や、どちらが先に進むかが不確かな場面などで、互いにコミュニケーションを取っている。研究チームは、自動運転車でもこのようなコミュニケーションが必要との考えから、例えば、LEDベースの表示や車体に設置したディスプレーを用いたコミュニケーション形式になどを研究する。課題は、昼間でも夜間でも認識ができ、あらゆる交通参加者が容易に直ぐに理解できなければならないことだが、そのようなコミュニケーション技術は現時点では存在していない。
当該プロジェクトでは、2020年半ばに終了した研究プロジェクト「interACT」の成果を生かしていく。オルデンブルクにあるネットワーク化された道路インフラが整備されている試験場内で実証試験を行う計画で、その際、自動運転車の車載センサーや道路インフラのセンサーのデータも活用する。さらに、カメラベースの人工知能(AI)が車内の乗員や他の交通参加者の意図を理解し、コミュニケーションに生かすことができるかについても研究する。