Peugeot E-Expert Hydrogen

ステランティス傘下の仏自動車大手プジョーが5月27日に発表した燃料電池車のコンパクトバン。標準/ロングボディの2種類を用意した。内燃エンジン車「エキスパート」、2020年に発売した電気自動車「eエキスパート」に続き、燃料電池車がラインアップに加わる。

同モデルは、2021年末にフランスとドイツで法人向けに販売を開始する予定(直販)。フランス北部のバランシエンヌ工場で車体を製造し、ドイツのリュッセルスハイムにあるステランティスの水素・燃料電池技術の中核拠点(水素・燃料電池コンピテンスセンター)で燃料電池車として仕上げる。

「eエキスパート・ハイドロジェン」は、燃料電池とリチウムイオン電池(容量:10.5kWh)、トラクションモーターを組み合わせたシステムを搭載する。

燃料電池は車両前方のモータールームに、リチウムイオン電池(容量:10.5kWh、出力90kW)はキャビンのシートの下に、永久磁石モーター(最大出力100kW、最大トルク260Nm)は前車軸に配置している。

三相充電器(11kW)はモータールームに、水素タンク3基(容量:計4.4キログラム、圧力700バール)は床下にある。

発進時と低速走行ではリチウムイオン電池から、一定速度の走行では燃料電池から電気モーターにエネルギーを供給する。加速時や追い越し、上り坂では、燃料電池と充電池が連動してエネルギーを供給する仕組み。減速時には、運動エネルギーを回収してリチウムイオン電池に充電することができる。

リチウムイオン電池のフル充電にかかる時間は、11kWのウォールボックス(32A)では1時間以内、16Aペアの充電設備では3時間、標準的な家庭用コンセント(8A)では6時間となっている。水素タンクは約3分でフル充填することができる。

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