2010/1/11

総合 –EUウオッチャー

ギリシャがたばこ・酒税引き上げ、財政悪化に対応

この記事の要約

財政悪化に直面するギリシャ政府は8日、たばこ・酒類の増税を発表した。EUが財政改善を求めて圧力を強めているのを受けたもので、年10億ユーロの増収効果を見込んでいる。\ たばこは消費税の税率が57.5%から70%にアップす […]

財政悪化に直面するギリシャ政府は8日、たばこ・酒類の増税を発表した。EUが財政改善を求めて圧力を強めているのを受けたもので、年10億ユーロの増収効果を見込んでいる。

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たばこは消費税の税率が57.5%から70%にアップする。酒税は大部分のアルコール飲料で、1リットルあたり11.4ユーロから同13.7ユーロに引き上げられる。増税は酒類が即日、たばこが12日付で実施される。

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EUは財政規律で、各国に赤字を国内総生産(GDP)比3%以下に抑えることを義務づけている。ギリシャは常に厳しい財政運営を強いられているが、10月の政権交代に伴い、中道右派の前政権が財政赤字を過少に申告していたことが発覚。2009年の赤字は上限を大幅に超えるGDP 比12.7%まで膨らむ見通しだ。これを受けて、国債の格付けが引き下げられるなど動揺が広がっている。

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EUはユーロの信用を維持するため財政改善を強く迫っており、ギリシャ政府は1月末までに財政再建策を提示しなければならない。欧州委員会と欧州中央銀行(ECB)は6日から3日間にわたってギリシャを訪れ、財政改善の取り組みを視察した。政府は財政規律違反を当初の計画より1年早い2012年末までに解消する方針を打ち出しているが、視察団は年金制度改革を含む歳出削減の強化を要求したほか、より詳細な工程表を用意するよう求めたという。

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