2010/1/11

産業・貿易

EUが漁業管理の新規則導入、違法漁業の取り締まり強化

この記事の要約

EUで1月から、共通漁業政策の管理システムを強化するための新たな枠組みが施行された。これにより違法な漁業に対する取り締まり、規則を守って操業する漁業関係者を保護するとともに、漁業分野における公平な競争と法規順守を促進させ […]

EUで1月から、共通漁業政策の管理システムを強化するための新たな枠組みが施行された。これにより違法な漁業に対する取り締まり、規則を守って操業する漁業関係者を保護するとともに、漁業分野における公平な競争と法規順守を促進させる。

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新しい枠組みは、違法・無届け・未規制(IUU)の漁業を取り締まるIUU規則、EU水域外で操業するEU漁船に対する漁業許可規則、共通漁業政策のルール順守に向けた管理システムを確立する管理規則の3つからなる。このうち漁業許可規則はすでに2008年10月に施行されている。

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IUU規則では、EU内で取り引きされる水産物に認証制度を導入して漁獲から水揚げ、販売まで追跡できるようにすることで違法漁業による水産品のEU市場への流入を阻止する。違法な行為に対する制裁も域内で統一する。漁業許可規則は、地域漁業機関(RFO)内で締結された漁業協定や取り決め、第三国との協定に基づいてEU水域外で操業するEUの漁船に対する単独かつ一貫した枠組みを確立させる。

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管理規則では、衛星による監視や漁獲量などの電子的管理など最新技術を利用することによりIUU規制で導入する水産品の追跡を支える。また、これまで罰則は各国で異なり域内で公平性が欠けていたが、違反行為に所定の点数をつけて合計ポイントが一定水準に達すれば操業停止や漁業免許をはく奪するポイント制を導入するとともに、制裁金の金額も域内で統一される。

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