2010/2/15

競争法

米アボットのソルベイ製薬部門買収、条件付きで承認

この記事の要約

欧州委員会は11日、米製薬大手アボット・ラボラトリーズがベルギーの化学・医薬大手ソルベイの製薬部門であるソルベイ・ファーマを買収する計画を承認した。競争上の問題が浮上した嚢(のう)胞性線維症(CF症)試験分野でソルベイ・ […]

欧州委員会は11日、米製薬大手アボット・ラボラトリーズがベルギーの化学・医薬大手ソルベイの製薬部門であるソルベイ・ファーマを買収する計画を承認した。競争上の問題が浮上した嚢(のう)胞性線維症(CF症)試験分野でソルベイ・ファーマの子会社インノジェネティクスの同事業を手放すことが条件となる。

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アボットは昨年9月にソルベイ・ファーマを66億ドルで買収することで合意した。アボットは医薬品や栄養製品、医療機器、診断製品を世界的に展開し、ソルベイ・ファーマは体外診断用医薬品(IVD)なども手がける。買収によりアボットはロシア、インド、ブラジルなどの新興市場やワクチン、ホルモン治療薬を強化できる。一方、ソルベイは製薬部門の売却により化学・プラスチック事業に集中し、低炭素型の新製品の拡大を目指す。

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欧州委員会の調査の結果、医薬品市場では重複が限られていることなどから競争上の問題はなく、IVD市場でも統合による拡大は限られている上、十分な競合会社があることが判明した。しかしCF症試験分野では、欧州全体および各国市場で圧倒的なシェアとなり価格引き上げなどの懸念が浮上した。

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これに対してアボットはインノジェネティクスのCF症試験事業を売却することを提案。欧州委はこれにより競争上の障害は取り除かれるとして、その実行を条件に買収を認めた。

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