2010/3/15

総合 –EUウオッチャー

アイスランド預金返済問題とEU加盟は別、欧州委員が英蘭をけん制

この記事の要約

欧州委員会のフューレ委員(EU拡大担当)は8日、アイスランドが国民投票で英、オランダへの預金返済法案を拒否した問題について、アイスランドのEU加盟問題と切り離して3カ国で解決に向けた協議を進めるべきとの考えを示した。\ […]

欧州委員会のフューレ委員(EU拡大担当)は8日、アイスランドが国民投票で英、オランダへの預金返済法案を拒否した問題について、アイスランドのEU加盟問題と切り離して3カ国で解決に向けた協議を進めるべきとの考えを示した。

\

アイスランドは08年に破たんした大手銀行ランズバンキのネット銀行「アイスセーブ」の外国人口座を閉鎖し、34万人に上る英、オランダ人預金者の53億ドルの資金が凍結された。これを肩代わりして国内の預金者に払い戻した英、オランダ政府は、アイスランドに返済を求めているが、6日の国民投票で返済法案は93%の反対で否決された。

\

欧州委員会は2月にEUとアイスランドの加盟交渉開始を加盟国に勧告し、EUは3月25、26日の首脳会議で勧告を受け入れるかどうかを決める。しかし、全加盟国による承認が必要で、預金返済を拒否された英、オランダが報復として拒否権を発動する可能性がある。

\

同問題についてフューレ委員は、欧州議会の外交委員会で「国民投票の結果は返済条件への不満であり、EU加盟を拒否したわけではない。これらは別の問題だ」と述べ、交渉開始阻止の構えをみせる英、オランダをけん制。「アイスランドとの加盟交渉がすぐに始めることを望む」と語った。

\