2010/3/29

競争法

保険分野の競争法適用除外、標準保険約款などは認めず

この記事の要約

欧州委員会は24日、保険会社による特定の協力行為をEU競争法の適用除外とする規則の改正を決めた。現行規則が3月31日に失効するのにあわせたもので、適用除外対象4項目のうち情報交換、保険プールについては引き続き例外扱いとし […]

欧州委員会は24日、保険会社による特定の協力行為をEU競争法の適用除外とする規則の改正を決めた。現行規則が3月31日に失効するのにあわせたもので、適用除外対象4項目のうち情報交換、保険プールについては引き続き例外扱いとして認めるものの、標準保険約款の作成と防犯装置の承認・設置については対象外となる。

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EU競争法は競争制限的行為を禁止しているが、一定の条件の下で同業者による協定や共同行為などを認める例外規定を定めている。保険分野では2003年発効の規則に基づき、これまで4項目が適用を除外されてきた。

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欧州委は今回の規則改正で、データ交換に関しては、単独で信頼に足りるデータを集めることが困難な中小の保険会社が存在する点を考慮。事故率や死亡率、治療費や修繕費などの各種データや調査リポートなどの共有や情報交換を認めることで適正な保険料率の設定が容易になり、最終的に消費者の利益につながると判断し、適用除外の7年延長を認めた。

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単独では引き受けられない巨大リスクに備えて資産をプールする共同保険や共同再保険についても必要性を認め、同じく適用除外を延長する。

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一方、保険商品の比較を容易にし、市場の透明性を高めるために導入された標準保険約款の作成と、防犯装置の承認および設置に関する協定については、消費者の利益につながる面はあるものの、もはや健全な競争を阻害する懸念の方が大きいとして、新規則が発効する4月1日から適用除外を認めないことになった。

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