2010/3/29

競争法

仏社がIBMの競争阻害を非難、欧州委に苦情申し立て

この記事の要約

仏ソフトウエア開発会社のターボエルキュールは23日、欧州委員会に米IBMに対する競争上の苦情申し立てを行ったことを明らかにした。ターボエルキュールは、同社が開発したメインフレーム向けのオープンソースのソフトウエアについて […]

仏ソフトウエア開発会社のターボエルキュールは23日、欧州委員会に米IBMに対する競争上の苦情申し立てを行ったことを明らかにした。ターボエルキュールは、同社が開発したメインフレーム向けのオープンソースのソフトウエアについて、消費者がIBMのメインフレームで利用することをIBMが阻止していると主張している。

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ターボエルキュールは昨年7月、IBMに対してライセンス供与について問い合わせたもののIBMは11月にこれを拒絶し、ターボエルキュールが知的財産権を侵害していると非難したという。

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これに対してIBMの広報担当者は、「IBMは知的財産権を行使し技術への投資を保護する権利がある」として、ターボエルキュールの苦情は「メインフレーム技術に対する巨額の投資へのタダ乗りを狙うもの」と反論している。欧州委員会の報道官は、「苦情を受領しており、これから検討を行う」と述べるにとどまった。

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IBMに対しては小規模な競合企業であるPSIが数年前に欧州委に苦情を申し立てたものの、その後PSIはIBMに買収されている。しかし昨年1月には同じく競合企業の米T3テクノロジーズが欧州委に苦情を申し立てるとともに、昨年9月にはニューヨークでIBMを反トラスト法違反で提訴している。

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米コンピュータ&コミュニケーション産業協会(CCIA)も昨年9月、米司法省に対してIBMは競合企業のハードウエア上でIBMの基本ソフト(OS)を起動させるためのライセンス供与を拒み競争を阻害しているとの報告書を提出し、米法務省もメインフレーム・コンピューター市場のIBMの寡占について初期調査に乗り出している。

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