EU統計局ユーロスタットが3月31日発表したユーロ圏の同月の消費者物価上昇率(インフレ率、速報値)は前年同月比1.5%と、前月の0.9%から急上昇し、2008年12月以来の高水準に達した。詳細は4月16日に公表されるが、原油価格の上昇が物価を押し上げているとみられる。
\ユーロ圏のインフレ率は昨年10月まで7カ月連続でマイナスだったが、11月からプラスに転じ、そこから上昇軌道にある。今回の急上昇で、欧州中央銀行(ECB)が上限目標値とする2%に大きく近づいた。ただ、上昇は原油高によるもので、高い失業率を背景に内需が停滞していることから、価格変動が激しいエネルギー、食品、アルコール・たばこを除いた基礎インフレ率はなお低い水準にある。市場では急上昇は一時的なもので、当面は2%を超えないとの見方が大勢だ。
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