2010/5/3

産業・貿易

代金支払い遅延防止法案、公共機関だけでなく企業も対象に

この記事の要約

欧州議会の域内市場委員会は4月29日、企業に対する代金支払いの遅延を防止するための法案を修正の上、可決した。同法案は資金繰りが苦しい中小企業への支援を主眼としたもので、当初の案ではEU内の公共機関による支払いだけを対象と […]

欧州議会の域内市場委員会は4月29日、企業に対する代金支払いの遅延を防止するための法案を修正の上、可決した。同法案は資金繰りが苦しい中小企業への支援を主眼としたもので、当初の案ではEU内の公共機関による支払いだけを対象としていた。しかし、修正案では企業間の支払いも対象に含めた。

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欧州委員会が2009年4月にまとめた原案は、EU機関や加盟国の政府機関などが請求から30日以内に代金を支払うことを義務付け、遅れた場合は制裁として請求額に5%を上乗せした額を支払わせるという内容だった。

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これに関して議会の域内市場委員会は、中小企業が大企業との取引で立場が弱いことを考慮し、企業間取引も規制の対象とする方向に修正した。企業の場合も30日以内の支払いを求められる。公共機関、企業とも、やむ終えない事情があれば、60日まで期限延長を認め。これについて、企業の場合は支払い先との契約書に、こうした事態が起りうることを明記しておく必要がある。さらに、企業は取引先の同意を得れば、支払いを60日以上遅らせることも認められる。

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一方、期限を過ぎた支払いへの制裁に関しては、修正案では請求額への5%を上乗せに代わり、通常金利に9%上乗せした額を支払わせることにした。

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修正案成立には欧州議会とEU加盟国の承認が必要。欧州議会は5月か6月の本会議で採決する見込みだ。

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