欧州委員会は4月29日、EUが航空テロ対策として導入している液状物の機内持ち込み規制を2013年4月までに解除すると発表した。域内の全空港で液体を検知できる最新スキャナーを設置することを条件に、乗客に不便をかける同規制の撤廃に踏み切る。
\EUは2006年8月に英国で旅客機を標的としたテロ未遂事件が発覚したことを受け、加盟国共通の手荷物持ち込み規制を06年11月に導入。化粧水、香水、飲料など液状物(通関後にEU内の空港で購入した品物を除く)の機内持ち込みは、1種類につき100ミリリットル以下に制限され、しかもすべての容器を容量1リットル以下の透明なプラスチック袋に入れなければならなくなった。域外の航空会社だけでなく、EU内の空港を離陸するすべての便も対象だ。
\この規制をめぐっては、規則を知らない旅客が空港のセキュリティー・チェックで、持ち込もうとした飲み物や化粧品などを廃棄させられるケースが相次ぎ、検査に時間がかかって不満が高まっていた。
\欧州委は当初、今年4月に規制を撤廃する予定だったが、液状物の種類まで分析できる精度の高い手荷物スキャナーの開発が遅れていることから延長している。しかし、スキャナー設置の目途がついたことから13年4月29日までに解除する方針を決めた。
\現在はEU域外からの便でEU内の空港に到着し、接続便に乗り換えるトランジット客が起点や途中の空港の免税店で購入した品物に関しても、米国、カナダ、シンガポール、クロアチアの空港で購入したものを除いて持ち込みが規制されているが、規制解除に先立って2011年4月からどの空港で買ったものも持ち込めるようにする。
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