2010/5/25

総合 –EUウオッチャー

ギリシャに200億ユーロ融資実行、19日の国債償還に対応

この記事の要約

ギリシャ政府は18日、ユーロ圏諸国から総額145億ユーロの緊急融資を受けたと発表した。これはユーロ圏と国際通貨基金(IMF)が財政危機に陥っているギリシャへの支援として決めた総額1,100億ユーロの緊急協調融資の第一弾。 […]

ギリシャ政府は18日、ユーロ圏諸国から総額145億ユーロの緊急融資を受けたと発表した。これはユーロ圏と国際通貨基金(IMF)が財政危機に陥っているギリシャへの支援として決めた総額1,100億ユーロの緊急協調融資の第一弾。すでにIMFから受け取った55億ユーロと合わせ、200億ユーロを確保した。

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今回のユーロ圏融資には10カ国が加わった。負担額はドイツが44億ユーロで最大。フランスが33億ユーロ、イタリアが29億ユーロで続く。残りをスペイン、オランダ、オーストリア、ポルトガル、ルクセンブルク、キプロス、マルタが負担した。ベルギー、アイルランド、フィンランド、スロバキア、スロベニアの5カ国は「技術的な理由」により第1回の融資に加わらなかったという。

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ギリシャは約85億ユーロの国債の償還期限を迎える19日までに、第一弾の融資の実行が必要だった。今回の融資で同償還を乗り切り、債務不履行(デフォルト)に陥るという最悪の事態を回避。当面必要な資金も確保した。ただ、市場ではギリシャ政府が融資の条件として約束した厳しい緊縮政策を実行し、財政再建を計画通り推進できるかどうか不安視する向きが多く、財政危機を脱したとは言えない状況だ。

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