2010/5/25

欧州ビジネスウオッチ

独企業景況感、5月はやや悪化

この記事の要約

ドイツのIfo経済研究所が21日発表した2010年5月の独企業景況感指数(2000年=100)は101.5となり、前月から0.1ポイント低下した。ギリシャ、スペイン、英国などの財政問題を受け経済界に景気の先行き懸念が出て […]

ドイツのIfo経済研究所が21日発表した2010年5月の独企業景況感指数(2000年=100)は101.5となり、前月から0.1ポイント低下した。ギリシャ、スペイン、英国などの財政問題を受け経済界に景気の先行き懸念が出てきたことが反映されたもようで、3月に始まった同指数の大幅改善はひとまず止まった。ただ、欧州諸国の財政危機とそれに伴うユーロの信認問題はドイツの実体経済に影響をもたらしておらず、Ifoのハンスヴェルナー・ジン所長は「経済回復は底堅い」との見方を示した。

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今後6カ月の事業の見通しを示す期待指数が前月の104.0から103.7へと落ち込み足を引っ張った。ユーロ安でドル建ての原油や原料の価格が上昇するほか、ドイツ製品の主な販売先である欧州で今後、景気が悪化することへの懸念が響いたようだ。ただ、ユーロ安は現時点ではアジアの景気回復とともに輸出産業の追い風となっている。

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事業の現状判断を示す指数は前月の99.3から99.4へと0.1ポイント上昇した。改善は3カ月連続。

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業界別では製造業で現状判断、期待指数がともに改善した。国外事業については先行き見通しが一段と明るくなったという。小売業では現状判断がやや悪化したものの、今後の見通しはわずかに改善している。卸売業と建設業では期待と現状の両数値がともに低下した。

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