欧州中央銀行(ECB)は5月31日、ユーロ圏の金融機関で2010年、11年に生じる不良資産処理の損失が計1,950億ユーロに達する可能性があるとする予測を公表した。これによると、2010年に900億ユーロ、11年に1,050億ユーロの処理を迫られる見通し。ECBは財政悪化に直面するギリシャなど南欧諸国が緊縮財政を迫られる結果、景気が悪化する恐れが高いため、銀行の損失がさらに膨らむ可能性もあるとしている。
\ECBは定期的にユーロ圏の銀行の不良資産処理状況を報告している。2011年の予想が示されたのは初めて。同年の損失処理の内訳は、企業向け融資が485億ユーロ、個人向け融資が257億ユーロ、商業不動産向け融資が161億ユーロ、住宅ローンが136億ユーロとなっている。
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