2010/6/7

産業・貿易

独が空売り禁止拡大を閣議決定、全上場株も対象に

この記事の要約

ドイツ政府は2日、株式、国債などを現物の裏づけなしに取引する「空売り」について、5月に実施した禁止措置を拡大する法案を閣議決定した。国内大手10金融機関の株だけが対象だった株式の空売り禁止を国内の全上場株に適用する。7月 […]

ドイツ政府は2日、株式、国債などを現物の裏づけなしに取引する「空売り」について、5月に実施した禁止措置を拡大する法案を閣議決定した。国内大手10金融機関の株だけが対象だった株式の空売り禁止を国内の全上場株に適用する。7月中の議会通過を目指す。

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ドイツでは、ギリシャに端を発したユーロ圏の信用不安は国債などの投機的な取引によって助長されているとして、規制強化に積極的で、5月18日に空売り禁止を発表。国内で取引されるユーロ圏16カ国の国債や、国債を対象とするクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)、国内10金融機関の株式が対象だった。今回は新たに、全上場株に対象を広げるほか、ユーロやユーロ圏の国債に関連するデリバティブの空売りについても、連邦金融監督庁が必要に応じて禁止できるようにする。

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ドイツが先月に空売り禁止を打ち出した際は、EUとの事前調整を経ない一方的な動きとして大きな波紋を広げた。今回の追加措置も単独で決めたが、ショイブレ財務相は記者会見で、事前に法案の内容を加盟各国の財務相に通知したことを強調。さらに同財務相は、欧州委員会がドイツと同様の空売り禁止をEUレベルで導入するかどうかを検討中であることに言及し、ドイツの単独行動について「EUの決定をスピードアップさせる効果がある」と理解を求めた。

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