2010/6/7

環境・通信・その他

大気汚染問題で英に最終警告、ロンドンがEU基準満たさず

この記事の要約

欧州委員会は3日、粒子状物質を対象に2005年に施行された大気汚染物質の指令を英国が順守していないとして、同国政府に最終警告書を送付したと発表した。英国が2カ月以内に納得のいく回答をしない場合には、欧州委は欧州司法裁判所 […]

欧州委員会は3日、粒子状物質を対象に2005年に施行された大気汚染物質の指令を英国が順守していないとして、同国政府に最終警告書を送付したと発表した。英国が2カ月以内に納得のいく回答をしない場合には、欧州委は欧州司法裁判所に提訴することになる。

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問題となっているのは自動車や工場、一般家庭の暖房などから排出される粒子状物質のうち直径が10マイクロメートル以下の「PM10」と呼ばれる物質。指令では1日の許容濃度を1立方メートル当たり50マイクログラムと設定し、これを超えるのは年に35回以下と定めたうえで年間の平均値を40マイクログラムとしている。ただし2008年に施行された新指令により、加盟国は一定の条件の下で達成期限を最大で2011年まで延期することができる。

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英政府は大ロンドン圏を含む8カ所について期限延期を欧州委に申請していた。これに対して欧州委は、大ロンドン圏以外の7カ所についてはすでに基準を満たしていることから、申請を不適切として却下。大ロンドン圏については2011年までに1日の許容濃度の達成は困難な情勢で、英政府は期限をさらに延期するよう求めているものの、これまでも重ねて順守を怠ってきたことから欧州委は最終警告に踏み切った。

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今回の決定に対して英国政府は、ロンドンの期限延期については欧州委が現在検討を行っているとして、「欧州委が英国に対して、さらにどんな行動を期待しているのか理解しづらい」と表明している。

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