2010/6/28

総合 –EUウオッチャー

ルーマニア憲裁が年金削減に違憲判決、IMF・EU融資は遅延へ

この記事の要約

ルーマニア憲法裁判所は25日、政府が計画する15%の年金削減に違憲判決を下した。この判決により、同国の金融危機を受けて国際通貨基金(IMF)とEUが実施する金融支援が凍結される可能性が出てきた。IMF は28日に承認を予 […]

ルーマニア憲法裁判所は25日、政府が計画する15%の年金削減に違憲判決を下した。この判決により、同国の金融危機を受けて国際通貨基金(IMF)とEUが実施する金融支援が凍結される可能性が出てきた。IMF は28日に承認を予定していた8億5,000万ユーロの融資の実行を遅らせるのはほぼ確実。政府は増税など他の財源を模索するため、週明けにも特別議会を招集する見込みだ。

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憲法裁の裁判官は、政府の政策は年金の安定した支給を定めた憲法に反すると判断。一方、失業手当の15%削減、公務員給与の25%削減など、政府が進める他の財政緊縮政策については合憲とした。

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政府は5月、今年の財政赤字を当初約束した国内総生産(GDP)比5.9%から6.8%に拡大することを容認してもらう代わり、財政緊縮政策を実施することでIMFと合意していた。25日の為替市場では、IMFの融資が遅れ、ルーマニアの財政不安が深刻化するとの懸念から通貨レウが売られ、対ユーロで約7カ月ぶりの安値となる1ユーロ=4.28レウをつけた。

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