2010/6/28

競争法

欧州委、シンジェンタの米社ヒマワリ種子事業買収に疑義

この記事の要約

欧州委員会は22日、スイスのバイオテクノロジー企業のシンジェンタが米バイオ化学メーカーのモンサントのハイブリッド・ヒマワリ種子事業を買収する計画について、本格調査に着手したと明らかにした。初期調査の結果、ヒマワリ種子の育 […]

欧州委員会は22日、スイスのバイオテクノロジー企業のシンジェンタが米バイオ化学メーカーのモンサントのハイブリッド・ヒマワリ種子事業を買収する計画について、本格調査に着手したと明らかにした。初期調査の結果、ヒマワリ種子の育種や商業化、ヒマワリ種子の関連製品で競争を阻害する恐れが浮上したため。10月26日までに最終的な結論を下す予定だ。

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シンジェンタはヒマワリ種子では世界的大手で2008年度は2億ドル以上を売り上げ、モンサントのヒマワリ種子事業の売上高は2008年度に7,500万ドルに達している。シンジェンタは昨年8月にモンサントの同事業を1億6,000万ドルで買収することで合意したと発表していた。ヒマワリ油はほとんどが食品向けに用いられている。

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欧州委は、買収によりシンジェンタは強力な競合企業を統合することになり、技術変革を妨げて消費者の選択肢が減り、ヒマワリ種子の価格が引き上げられる懸念があると指摘している。シンジェンタは5月末に欧州委に対して譲歩案を提示しているが、承認を得るためには事業売却などさらなる譲歩を迫られる可能性がある。同社は今回、承認に向け欧州委と密接に協力していく考えを明らかにしている。

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