2010/7/5

競争法

欧州裁がデビアス問題で欧州委に軍配、一審判決を棄却

この記事の要約

欧州司法裁判所は6月29日、2007年の第一審裁判所(現・一般裁判所)の判決を覆し、欧州委員会がダイヤモンド最大手デビアスに対して、ロシアの国営ダイヤモンド採掘会社アルロサとの取引打ち切りを求める決定を支持する判断を下し […]

欧州司法裁判所は6月29日、2007年の第一審裁判所(現・一般裁判所)の判決を覆し、欧州委員会がダイヤモンド最大手デビアスに対して、ロシアの国営ダイヤモンド採掘会社アルロサとの取引打ち切りを求める決定を支持する判断を下した。今回の判決は欧州司法裁の法務官が昨年9月に表明した見解に沿ったものとなった。

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デビアスは2002年にアルロサから年間8億ドル相当のダイヤモンド原石の供給を受ける契約を結んだ。しかし、デビアスは世界のダイヤモンド市場で43%のシェアを握るほか、約60%のダイヤモンド原石の供給を支配。一方、アルロサはダイヤモンド原石の供給で世界2位のため、欧州委は取引によってデビアスの支配力が強まることを懸念。2006年から段階的に取引規模を縮小して2009年までに取引を打ち切るようデビアスに求め、デビアスもこれに同意していた。ところがアルロサはこれを不服として第一審裁に提訴し、2007年にアルロサの主張が認められたため、欧州委は欧州司法裁に上訴していた。

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