2010/7/12

環境・通信・その他

イラン航空に乗り入れ制限、「危ない航空会社」リストの見直しで

この記事の要約

欧州委員会は6日、イラン国営のイラン航空の老朽化した機体についてEUへの乗り入れを禁止した。安全性に懸念があるためで、同国の核開発プログラムをめぐる国連の制裁とは関係ないという。EUは2006年3月から安全基準を満たして […]

欧州委員会は6日、イラン国営のイラン航空の老朽化した機体についてEUへの乗り入れを禁止した。安全性に懸念があるためで、同国の核開発プログラムをめぐる国連の制裁とは関係ないという。EUは2006年3月から安全基準を満たしていない航空会社を「危ない航空会社」に指定して域内への乗り入れを制限しており、今回は14回目のリスト見直しとなる。

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イラン航空に対してはボーイングの「727」と「747」、およびエアバス「320」の乗り入れを禁止した。特にボーイングの機体は1970年代に購入したもので米国が30年にわたりスペア部品を禁輸しているため適切なメンテナンスが行われていないという。ただしエアバスの「A300」と「A310」のそれぞれ14機と8機、ボーイング「737」の1機の計23機については引き続き運航を認める。

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欧州委は乗り入れ制限の理由として、加盟各国や欧州航空安全局(EASA)の専門家が訪問したところイランの民間航空機関とイラン航空は今年3月に発表した安全措置の実施を怠っていることが判明したとしている。EUの決定に対してイラン航空の広報担当者は「不公平」と指摘し、解除に向けて引き続きEUと連絡を取り合う考えを示している。

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今回の見直しではスリナムのブルー・ウイング航空も乗り入れ禁止となった。事故が相次いでいるうえ機体の検査で重大な欠陥が見つかったため。ただ、同社はオランダ領アンティル諸島と仏領ギアナへの路線を持つがEU域内へは運航していない。

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一方、インドネシアのメトロ・バタビアとインドネシア・エアアジアの2社については乗り入れ禁止を解除した。インドネシアの航空当局が安全面で大きな改善を行ったため。EUは3年前に同国の全航空会社の域内への運航を禁止したものの、これにより解除された航空会社は6社となった。なおEUへの乗り入れを禁止されている航空会社は合わせて21カ国の278社に上っている。

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