2010/9/27

欧州ビジネスウオッチ

ティッセンクルップ、イラン事業から全面撤退

この記事の要約

鉄鋼系複合企業の独ティッセンクルップは23日、イランの顧客との新規契約を同日から締結しない方針を明らかにした。ドイツと欧州連合(EU)、米国のイラン制裁に対応。既存のイラン事業についても早急に停止する。\ イランは国際社 […]

鉄鋼系複合企業の独ティッセンクルップは23日、イランの顧客との新規契約を同日から締結しない方針を明らかにした。ドイツと欧州連合(EU)、米国のイラン制裁に対応。既存のイラン事業についても早急に停止する。

\

イランは国際社会の非難にも関わらず核兵器の開発を進めている疑いが極めて濃厚で、国際連合は6月9日の安全保障理事会で同国への制裁強化を決議した。米国とEUも追加制裁を決定している。

\

シーメンス、リンデ、ダイムラーなど独大手メーカーの多くはすでにイラン事業を凍結しており、ティッセンクルップもこれに追随した格好。同社は米アラバマ州に事業戦略上重要なステンレス鋼工場と冷間圧延鋼工場を建設し、操業を開始したばかりで、米当局ににらまれるのは是が非でも避けたいところだ。

\

ティッセンクルップにはかつて、イランの国営ファンドが出資していた。これを受け米政府は同社をブラックリストに乗せようとしたため、同社は2003年、同ファンドが保有する自社株を極めて高い価格で買い戻した経緯がある。

\