2010/10/25

産業・貿易

欧州委がクロマグロ漁獲枠を大幅削減へ、ICCAT総会に向け提案準備

この記事の要約

欧州委員会は大西洋・地中海産クロマグロの資源の長期的な持続可能に向けて、来年の漁獲枠を大幅に削減する方針だ。欧州委の報道官が20日明らかにした。\ パリで11月17~27日に開かれる大西洋まぐろ類保存国際委員会(ICCA […]

欧州委員会は大西洋・地中海産クロマグロの資源の長期的な持続可能に向けて、来年の漁獲枠を大幅に削減する方針だ。欧州委の報道官が20日明らかにした。

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パリで11月17~27日に開かれる大西洋まぐろ類保存国際委員会(ICCAT)総会に向けて欧州委は提案を準備中だが、これは科学的調査に基づいたものになるという。欧州委のダマナキ委員(漁業・海事担当)は欧州議会議員との会合で、「2020年まで存続可能な資源量に回復させ長期的な持続可能性を保つためには、漁獲量の大幅削減が最善の方法となるだろう」と語っている。

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これに対して世界自然保護基金(WWF)は歓迎の意を示すとともに、ICCATの会合で漁獲量削減を欧州の立場の主軸とするよう呼びかけた。2010年の大西洋・地中海産クロマグロの漁獲枠は1万3,500トンだったが、WWFは資源量が持続可能な水準のわずか3分の1まで減少しているとして、漁獲枠を年に6,000トン未満とするよう求めている。

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EUは、今年3月にカタールの首都ドーハで開かれたワシントン条約締約国会議(CITES)で大西洋・地中海産クロマグロの国際取引を禁止する措置を提案していたが、この禁輸案は否決された経緯があり、その際に今後はICCATの場で漁獲枠の削減を提案する可能性を示していた。

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