2010/10/25

環境・通信・その他

スペインが全面禁煙措置を導入へ、現行法改正し来年1月施行

この記事の要約

スペイン議会の下院は20日、現行の禁煙措置を改正する法案を採択した。これによりバーやレストランも全面的に禁煙となる。同法案は上院通過が確実視されており、来年1月2日から施行されることになる。\ 2006年に導入された現行 […]

スペイン議会の下院は20日、現行の禁煙措置を改正する法案を採択した。これによりバーやレストランも全面的に禁煙となる。同法案は上院通過が確実視されており、来年1月2日から施行されることになる。

\

2006年に導入された現行法では職場での禁煙を定めているものの、床面積の広いレストランは喫煙席を設けることができ、バーやカフェは喫煙を認めるかどうかを独自に決めることができる。このため実際には大部分が喫煙を認めることを選んでおり、禁煙法は中途半端で失敗したとの批判が出ていた。

\

今回の改正案では大規模なレストランでも喫煙席の設置は認められず、バーやカフェも全面禁煙となる。また子供の遊び場をはじめ学校や病院の敷地内では建物の外でも喫煙が禁止される。喫煙が認められるのはカフェやバーのテラス席や刑務所、精神病施設、老人ホームで、ホテルも客室の30%までを喫煙室とすることができる。

\

施行日を1月初めとしたのはクリスマスや新年といった飲食店のかき入れ時を避けたものだが、レストランやバー、カフェの反発は強く、同業界では全面禁煙により14万5,000人が職を失い売上高が10%削減すると試算している。ただ、すでに全面禁煙に踏み切った英国やフランス、イタリアでは懸念されたほどの影響は出ていない。また、スペインのバーやカフェには道端など屋外にテーブルを設けるところも多いため、ヒメネス保健相は喫煙について依然として許容されると指摘している。

\

なおスペインの全国喫煙阻止委員会は、国内のバーでは年に最大1,000人のウエイターが受動喫煙による肺がんで死亡していると主張している。

\