2010/11/15

産業・貿易

日本とEPAに向けた閣僚級協議、首脳会談で合意

この記事の要約

菅直人首相は12日、ソウルでEUのファンロンパイ大統領(首脳会議常任議長)らと会談し、来春の日本・EU定期首脳会議で経済連携協定(EPA)締結交渉を開始することを提案した。両首脳は交渉に先立ち、年明けにも担当閣僚による協 […]

菅直人首相は12日、ソウルでEUのファンロンパイ大統領(首脳会議常任議長)らと会談し、来春の日本・EU定期首脳会議で経済連携協定(EPA)締結交渉を開始することを提案した。両首脳は交渉に先立ち、年明けにも担当閣僚による協議を行うことで合意した。

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EUは10月に韓国と自由貿易協定(FTA)に署名しており、日本国内ではEUとのEPA締結を急ぐよう求める声が高まっている。しかし、EU側は日本に対し、政府調達や医療機器の安全基準など非関税障壁の改善を強く求めており、これまで交渉入りに慎重な姿勢を示していた。菅首相は会談で、今月9日に閣議決定した包括的経済連携に関する基本方針に言及。EUを「アジア太平洋地域以外の最大の貿易パートナー」と位置づけ、非関税障壁への対応を加速する方針を盛り込んだことを説明した。

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ファンロンパイ大統領はEPA交渉開始の提案に対し、直接的な回答は避けたものの「建設的に議論したい」と応じ、前向きな姿勢を示した。一方、欧州委員会のバローゾ委員長は「日本の強い意志を求めたい。規制緩和について継続的に議論したい」と述べ、早期の障壁撤廃を要求した。

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EUはアジアとの貿易拡大を通商政策の柱の1つと位置付けており、今月9日に発表した向こう5年間の通商戦略ではインドや東南アジア諸国連合(ASEAN)加盟国などとのFTA早期締結を目指す方針を打ち出している。EUは現在、インド、シンガポールとFTA交渉を行っており、来月にはマレーシアとの交渉もスタートする。

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