2010/12/13

競争法

液晶パネルのカルテルで韓台5社に制裁、日本企業は対象とならず

この記事の要約

欧州委員会は8日、韓国、台湾の液晶メーカー6社がカルテルを結んでいたとして、うち1社を除く5社に総額6億4,892万5千ユーロの制裁金支払いを命じたと発表した。同カルテル問題では、欧州委はシャープなど日本企業も調査してい […]

欧州委員会は8日、韓国、台湾の液晶メーカー6社がカルテルを結んでいたとして、うち1社を除く5社に総額6億4,892万5千ユーロの制裁金支払いを命じたと発表した。同カルテル問題では、欧州委はシャープなど日本企業も調査していたが、最終的に制裁の対象とはならなかった。

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制裁対象となったのは、韓国のLGディスプレー、台湾の友達光電(AUオプトロニクス)、奇美電子、中華映管、瀚宇彩晶。韓国のサムスン電子もカルテルに関わったが、最初に通報して調査に全面的に協力したことから、EUの規定に基づいて制裁を全額免除された。

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欧州委によると、サムスン電子も含めた6社は2001年10月から2006年2月にかけて、パソコンやテレビ、携帯電話などに使われる液晶パネルの販売で価格カルテルを結んでいたほか、各社の取引、生産計画などの情報も交換し、売り手に有利な市場環境を作っていた。各社は主に台湾のホテルで、約60回にわたって幹部が秘かに会合していたという。

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制裁額は奇美電子が3億ユーロで最高。以下、LGディスプレー(2億1,500万ユーロ)、友達光電(1億1,680万ユーロ)、中華映管(902万5千ユーロ)、瀚宇彩晶(810万ユーロ)となっている。

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欧州委は欧州市場で大きなシェアを持つ各社が、EU競争法違反にあたることを承知の上でカルテルを4年にわたって結んでいたのは悪質で、欧州の消費者に大きな悪影響を及ぼしたとして、多額の制裁金支払いを命じた。

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同カルテル問題をめぐっては、欧州委は2006年12月に日米韓の独禁当局と協力して調査を開始。日本企業も対象となっており、米国の案件では、LGディスプレー、日立ディスプレイズ、シャープ、台湾の中華映管がカルテルの事実を認め、制裁金支払いに応じた。日本では日立ディスプレイズとシャープが、任天堂の携帯型ゲーム機「ニンテンドーDS」用の液晶パネルをめぐるカルテルで、公正取引委員会から排除措置命令を出された。EUの調査では、日本企業は制裁の対象外となった。

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