2011/1/17

総合 –EUウオッチャー

EUのアイルランド支援向け起債、日本も協力

この記事の要約

日本の野田佳彦財務相は11日、閣議後の記者会見で、財政危機に陥っているアイルランドを支援する資金を調達するためEUが近く実施する起債に日本政府が協力する意向を表明した。ユーロ参加国による支援の枠組みである「欧州金融安定基 […]

日本の野田佳彦財務相は11日、閣議後の記者会見で、財政危機に陥っているアイルランドを支援する資金を調達するためEUが近く実施する起債に日本政府が協力する意向を表明した。ユーロ参加国による支援の枠組みである「欧州金融安定基金(EFSF)」が今月下旬に発行する債券の2割以上を引き受ける方針だ。

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EUは国際通貨基金(IMF)と共同で、財政危機に陥ったユーロ参加国に緊急金融支援を行う総額7,500億ユーロの“ユーロ防衛基金”を創設。EUの基金は、ユーロ参加国の政府保証による総額4,400億ユーロ規模のEFSFと、欧州委員会がEU予算を担保とする債券発行で資金を調達する600億ユーロの欧州金融安定メカニズム(EFSM)の2つからなる。

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日本が協力するのはEFSFが今月下旬に行う第1弾の起債。野田財務相は「主要国の日本が、債券の信認を高めるため一定割合を購入する貢献をすることは妥当だ」とした上で、「20%超を購入したい」と述べた。

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ギリシャに端を発したユーロ圏の信用不安問題では、すでに中国が支援を進めており、アイルランドと同じく財政不安を抱えるスペインの国債を購入している。日本も巨額の外貨準備を活用し、中国に追随してユーロ圏を支援することになる。

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EUとIMFは昨年12月、深刻な信用不安に直面するアイルランドにユーロ防衛基金から総額850億ユーロの緊急融資を実施することを決定。EFSMとEFSFはアイルランド支援に必要な資金を調達するため、2011年に341億ユーロ、12年に149億ユーロの債券を発行する計画だ。EFSMは5日に第1弾の起債を実施し、50億ユーロを調達したばかり。

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