2011/1/17

産業・貿易

2010年のEU農業所得10%増、農作物価格の値上がりが主因

この記事の要約

EU統計局ユーロスタットはこのほど、2010年のEU27カ国の農業就業者1人当たりの実質所得が前年に比べて10.7%増加したと発表した。これは農作物の値上がりにより農業所得が9.9%増えた一方で労働投入量が2.2%減った […]

EU統計局ユーロスタットはこのほど、2010年のEU27カ国の農業就業者1人当たりの実質所得が前年に比べて10.7%増加したと発表した。これは農作物の値上がりにより農業所得が9.9%増えた一方で労働投入量が2.2%減ったことによるものだが、2009年に実質所得が10.7%減少した反動もあるという。

\

今回の統計は各国当局からのデータから推計したもの。実質所得が増えた国は21カ国で、上げ幅はデンマークの55%増を筆頭に、エストニアが49%増、アイルランドが39%増と続く。一方、減少した6カ国のうち英国とルーマニアはそれぞれ8.2%減と減少幅が最も大きかった。EU全体では2005年に比べて10%増えているが、逆に労働投入量は12.7%減少している。

\

2010年のEUの作物価格は収穫量の減少を背景に6.3%上昇している。中でも油料種子は27%、穀物は23%、ジャガイモは13%それぞれ値上がりした。また家畜・畜産品の価格も全体で2.4%上がっており、牛乳が9.4%上昇したほか羊と山羊は7%、牛は0.4%それぞれ上がっているが、豚は2.6%値下がりしている。

\