スウェーデンの野生オオカミの殺処分開始をめぐり、欧州委員会のポトチュニック委員(環境担当)は17日、EU法違反によりスウェーデン政府に対して法的手続きを取る方針を明らかにした。欧州委は27日に同委員の提案を協議する。
\スウェーデンでは野生のオオカミが増えて羊やトナカイへの被害が広がっているとして、オオカミの頭数を210頭に抑えるため36年ぶりに昨年から殺処分を行っている。ライセンスを取得した猟師が一定期間に政府が決めた頭数を狩猟するもので、今年は1月15日~2月15日の1カ月間で20頭を目標にしているが、すでに16頭を処分した。昨年は27頭を処分している。
\ポトチュニック委員は、絶滅の危機にある生物の処分はEU法に違反するとして、「法的な正式手続き開始を欧州委に提案する以外に選択肢はない」と説明している。スウェーデン政府は、狩猟は野生生物の管理の一環でありEUのルールに従ったものと主張しているが、「欧州委の言い分を聞く用意がある」と答えている。
\