2011/1/31

環境・通信・その他

スウェーデンに警告書送付、オオカミ殺処分めぐり

この記事の要約

欧州委員会は27日、スウェーデン政府が野生オオカミの殺処分を進めていることに対して、EU法違反の疑いで法的手続きを開始したと発表した。まず警告書を送付し、説明を求める。\ スウェーデンでは野生のオオカミが増えて羊やトナカ […]

欧州委員会は27日、スウェーデン政府が野生オオカミの殺処分を進めていることに対して、EU法違反の疑いで法的手続きを開始したと発表した。まず警告書を送付し、説明を求める。

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スウェーデンでは野生のオオカミが増えて羊やトナカイへの被害が広がっているとして、オオカミの頭数を210頭に抑えるため昨年に36年ぶりに殺処分を再開した。今年は1月15日~2月15日の1カ月間に20頭の処分を目標にしており、ライセンスを取得した6,700人以上の猟師が狩猟を開始し、26日の時点ですでに18頭を処分している。

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欧州委はスウェーデンがEU法に違反している疑いがある根拠として、◇オオカミの保護状況が不適切な点◇頭数の制限を恣意的に210頭と決めたこと◇厳しい条件を設定せずにライセンスを与えて保護生物を狩猟していること◇絶滅種に対する管理計画の欠如――などを挙げている。

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これに対してスウェーデンのカールグレン環境相は、国内でオオカミの狩猟の是非を判断できるのはスウェーデン政府だけと主張。またアンデルソン農業相は声明の中で「肉食動物に対する政策を決めるのは真っ先にスウェーデンであり欧州委ではないというのが我々の信念」と表明した。ただし国内でも環境保護団体などからは殺処分に対して厳しい批判が巻き起こっている。

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