欧州中央銀行(ECB)は1月31日、前週(24~28日)にユーロ圏国債の買い取りを行わなかったことを明らかにした。ユーロ圏の信用不安がこのところ沈静化に向かっていることを受けたもの。ECBによる国債買い取りが見送られたのは昨年10月以来初めてだ。
\ECBはギリシャに端を発したユーロ圏の信用不安が広がった昨年5月から、機能不全に陥った金融市場での流動性を確保するため、ユーロ圏の財政不安がある国の国債買い取りを実施。前の週(10~14日)にはポルトガル国債を中心に23億1,300万ユーロを買い付けていた。
\しかし、ギリシャ、アイルランドに次いでユーロ防衛基金に支援を要請する可能性が取りざたされていたポルトガル、スペインの国債発行入札が順調に終わるなど、このところ信用不安は落ち着きを取り戻しつつある。ECBが国債購入を見送ったことで、それが一層印象付けられた格好だ。
\ユーロ圏では消費者物価が急上昇しており、ECBは今後、インフレ抑制に集中するとみられる。
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