2011/2/21

競争法

独政府がウエストLB再編計画提示、事業4分割や資産削減が柱

この記事の要約

独州立銀行ウエストLBは16日、ドイツ政府が欧州委員会に同行の再編計画を提出したと発表した。ウエストLBが欧州委との間で合意している事業規模の削減に上乗せする形で、さらに資産規模を圧縮することや、事業を4分割することなど […]

独州立銀行ウエストLBは16日、ドイツ政府が欧州委員会に同行の再編計画を提出したと発表した。ウエストLBが欧州委との間で合意している事業規模の削減に上乗せする形で、さらに資産規模を圧縮することや、事業を4分割することなどが計画の柱。欧州委は再編計画を精査したうえで、ウエストLBが受けた公的支援の妥当性について判断する。

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ウエストLBはサブプライム関連の証券化商品への投資などによって巨額の損失を出し、経営危機に陥った。欧州委は2009年5月、リスクの高い証券業務から撤退して銀行業務に専念することなどを条件に、ウエストLBに対する50億ユーロの公的支援策を承認。独政府は同行総資産の約30%に相当する約770億ユーロの不良資産を受け皿機関(バッドバンク)に移管する構想を打ち出し、金融市場安定化基金(Soffin)を通じた約30億ユーロの資本注入を実施した。欧州委、バッドバンク構想自体は金融市場の安定化につながるとの判断から、同行への追加支援を暫定的に承認したうえで、バッドバンクが買い取った不良資産の規模や評価基準などについて国家補助規定に基づく調査を進めており、そのなかで独政府に再編計画の提出を求めていた。

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欧州委は09年にウエストLBに対する公的支援策を承認した際、中核事業に経営を集中して事業規模を半分に縮小するほか、今年末までに売却先を探すことを条件としていた。独政府は今回、同行の資産規模をさらに3分の1程度削減することや、事業を銀行業務およびコーポレートファイナンス、トランザクションバンキングなど4部門に分割したうえで、売却や提携を検討することを提案している。

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ウエストLBは現在、貯蓄銀行連合とノルトライン・ウェストファーレン州政府の管理下に置かれている。同行の買収には複数の企業が関心を寄せているとされ、市場では売却先候補として米投資会社のアポロやJCフラワーズなどの名前が挙がっている。

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