2011/2/28

欧州ビジネスウオッチ

スカニアが独MANを買収か、観測再浮上

この記事の要約

スウェーデンのトラック大手スカニアが独同業MANを買収するとの観測が再浮上してきた。22日付『フランクフルター・アルゲマイネ(FAZ)』紙が報じたもので、買収計画が今春にも公表される可能性があるとしている。同観測は昨年1 […]

スウェーデンのトラック大手スカニアが独同業MANを買収するとの観測が再浮上してきた。22日付『フランクフルター・アルゲマイネ(FAZ)』紙が報じたもので、買収計画が今春にも公表される可能性があるとしている。同観測は昨年11月にも浮上したが、両社はその際、買収交渉の有無を明らかにしていない。今回もコメントを控えている。

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スカニアは欧州自動車最大手フォルクスワーゲン(VW)の子会社で、VWはスカニアの資本46%強、議決権付き株式71%を保有する。VWはMANにも30%弱を出資しており、商用車分野で3社の協力関係を密接化し最大10億ユーロのシナジー効果を引き出したい考え。昨春にはVWの圧力を受けてスカニアとMANが提携交渉を開始しており、市場ではスカニアがMANを買収するとの観測が強い。

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FAZ紙は買収観測の根拠として、MANが2010年決算発表と株主総会を延期したことを挙げた。背景にはアブダビ政府系投資会社「国際石油投資会社(IPIC)」に売却した産業サービス子会社フェロシュタールの贈賄事件にからむ推定2億ユーロの制裁金負担をめぐる争いがある。この問題が解決されないと2010年決算が確定せず、スカニアによるMAN買収も具体化できないという。

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