2011/2/28

欧州ビジネスウオッチ

ポルシェ、VWとの経営統合に黄信号

この記事の要約

高級車大手の独ポルシェは23日、フォルクスワーゲン(VW)との経営統合手続きを年内に終了するとした当初計画がずれ込む可能性が出てきたと発表した。投機的な手法を用いてVWを買収しようとした同社の旧経営陣に対する検察の捜査が […]

高級車大手の独ポルシェは23日、フォルクスワーゲン(VW)との経営統合手続きを年内に終了するとした当初計画がずれ込む可能性が出てきたと発表した。投機的な手法を用いてVWを買収しようとした同社の旧経営陣に対する検察の捜査が年末までに終了しないことが確実となったためだ。ポルシェによると、捜査が大幅に長引いた場合は経営統合そのものがとん挫する恐れもあるという。

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ポルシェは2005年にVW株を20%弱取得。その後、出資比率を高めていき、09年1月に51%を確保し子会社化した。さらに75%超の取得を目指したが、投機が裏目に出て財務が悪化したため、逆にVWグループの傘下に入ることになった。これまでの合意では両社は2011年中に経営統合手続きを終了することが取り決められている。

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ポルシェをめぐっては米国で株主訴訟が起こされているほか、ドイツでもシュツットガルトの検察当局が捜査を進めている。こうした問題が解決される前にVWがポルシェの経営統合を強行すると、VWは投機に伴うポルシェの巨額損賠リスクを引き受けることになるため、捜査が長引くほど計画実現も遠のいていく。

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