2011/3/14

総合 –EUウオッチャー

ムーディーズがギリシャ国債を3段階格下げ、財政再建を疑問視

この記事の要約

米格付け会社のムーディーズ・インベスターズ・サービスは7日、ギリシャ長期国債の格付けを従来の「Ba1」から3段階引き下げ、「B1」にしたと発表した。財政再建策の実現性を疑問視したもので、すでに「投機的水準」としていた格付 […]

米格付け会社のムーディーズ・インベスターズ・サービスは7日、ギリシャ長期国債の格付けを従来の「Ba1」から3段階引き下げ、「B1」にしたと発表した。財政再建策の実現性を疑問視したもので、すでに「投機的水準」としていた格付けを「きわめて投機的」な水準まで引き下げた。

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財政赤字の拡大でEU、国際通貨基金(IMF)から3年間で総額1,100億ユーロの緊急協調融資を受けることが決まったギリシャは、支援の条件として厳しい財政緊縮策を導入している。しかしムーディーズは、同国の財政再建策は「極めて野心的で、実現性に大きなリスクがある」と指摘。その根拠として、「税収確保が引き続き困難に直面する」としている。信用不安に陥ったユーロ圏諸国に対するEUの金融支援の枠組みが13年6月から変わり、ギリシャ国債の保有者が債務再編によって利払い減免などを迫られる恐れがあることにも言及した。

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今回の格下げに対してギリシャ政府は、2009年に国内総生産(GDP)比15.4%に達していた財政赤字を2010年に同9.4%まで圧縮したことなどに触れ、赤字削減が順調に進んでいると主張。格下げを「公平な審査を欠いた不当な措置」(財務省)と猛反発している。

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スペイン国債も格下げ

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ムーディーズは10日、スペイン国債の格付けを従来の「Aa1」から1段階引き下げ、「Aa2」にしたと発表した。政府による銀行支援のコストが膨らみ、財政悪化が深刻化すると判断したため。今後の格付け見通しも「ネガティブ」とし、さらなる格下げも示唆した。

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