2011/3/14

総合 –EUウオッチャー

コソボとセルビアの対話スタート、成果なしも協議継続を確認

この記事の要約

コソボの地位問題解決に向けた同国とセルビアとの公式協議が8日に始まった。両政府による直接対話は、コソボが3年前にセルビアからの独立を一方的に宣言してから初めて。2日間にわたった初回の協議では具体的な成果はなかったものの、 […]

コソボの地位問題解決に向けた同国とセルビアとの公式協議が8日に始まった。両政府による直接対話は、コソボが3年前にセルビアからの独立を一方的に宣言してから初めて。2日間にわたった初回の協議では具体的な成果はなかったものの、双方は独立をめぐる対立の解消に向けて協議を続けることを確認した。

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コソボは2008年2月、セルビアの反対を押し切って一方的に独立を宣言。これまでに大部分のEU加盟国を含む75カ国が国家承認している。セルビアは独立を容認しなしという強硬な姿勢を崩していないが、加盟を目指すEUの圧力を受け、EUによる仲介のもとでコソボと対話を行い、問題解決目指す方針に転換していた。

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協議では、セルビアが国家承認していないコソボからの輸入を禁止していることや、コソボに向かう航空機のセルビア領空通過を認めていないことなど、多岐にわたる問題について話し合うが、最終的には地位問題の解決を目指す。

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EUは初回協議が終了した後に出した声明で、「話し合いは建設的かつ暖かい雰囲気で行われた」とコメント。さらに、双方が第2回の協議を近日中に開催することで合意したことを明らかにした。EU筋によると、次回協議は3月末までに開かれる予定という。

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セルビアは2008年にEU加盟の前段階である「安定化・連合協定(SAA)」を締結。2009年12月に加盟を正式申請し、2010年10月に受理された。ただ、加盟実現にはコソボの国家承認が前提となる。

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