2011/5/16

産業・貿易

欧州議会が対日EPA支持を決議、非関税障壁の撤廃が条件

この記事の要約

欧州議会は11日に開いた本会議で、日本との経済連携協定(EPA)締結を条件付きで支持するとの決議案を採択した。決議に拘束力はないが、日本側は今月下旬に開かれる日・EU定期首脳協議での交渉開始の合意を目指しており、欧州議会 […]

欧州議会は11日に開いた本会議で、日本との経済連携協定(EPA)締結を条件付きで支持するとの決議案を採択した。決議に拘束力はないが、日本側は今月下旬に開かれる日・EU定期首脳協議での交渉開始の合意を目指しており、欧州議会の対日EPAに前向きな姿勢を明確に打ち出したことで、早期の締結交渉入りに向けた機運が高まる可能性もある。

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決議案はEPA締結が「EUと日本の双方に利益をもたらす」と強調。その一方、非関税障壁の撤廃や公共調達市場の開放をめぐる日本側の対応について、「これまでのハイレベル協議ではほとんど進展がみられなかった」とし、「一段の顕著な取り組み」を行うことが交渉入りの条件になると指摘した。さらにEPA締結の影響を詳細に分析し、自動車、電機、航空、機械などの分野についてはセーフガード条項を協定に盛り込むよう訴えている。

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日・EU間のEPAをめぐる協議では、日本が自動車や液晶テレビをはじめとする品目の関税撤廃や削減を要求しているのに対し、EU側は医療機器の認可手続きの簡素化、自動車の安全基準や建築用木材の規格の緩和、鉄道など公共調達市場における規制緩和などを交渉開始の条件に挙げている。

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一方、欧州議会はインドとの自由貿易協定(FTA)交渉について、乗用車などを含むすべての工業製品の関税を相互に撤廃すべきだとの決議を採択した。欧州委員会に投資ルールや知的財産権保護、人権、環境など幅広い分野の条項を協定に盛り込むよう要請し、年内の交渉妥結を目指すよう求めている。

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