2011/6/6

競争法

アクサとパーミラの旅行事業合弁を承認

この記事の要約

欧州委員会は5月30日、仏保険大手アクサ傘下のプライベートエクイティ(PE)投資会社アクサPEと同業のパーミラがオンライン旅行事業で合弁会社を設立する計画を認可したと発表した。両社はスペインのオンライン旅行会社オポド(O […]

欧州委員会は5月30日、仏保険大手アクサ傘下のプライベートエクイティ(PE)投資会社アクサPEと同業のパーミラがオンライン旅行事業で合弁会社を設立する計画を認可したと発表した。両社はスペインのオンライン旅行会社オポド(Opodo)を共同で買収し、それぞれが保有するゴー・ボヤージュおよびイー・ドリームと統合して新会社を設立する計画を打ち出している。3社の統合が実現すると欧州最大級のオンライン旅行会社が誕生し、特にフランスとイタリアでは最大手となる見通しだが、同分野では航空会社を含めて多くの事業者による激しいシェア争いが展開されており、合弁計画を認めても著しく競争が阻害される恐れはないと判断した。

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アクサPEとパーミラは今年2月、旅行・航空業界向けITソリューションの大手プロバイダーであるスペインのアマデウスからオポドを5億ユーロで買収することで合意。両社のオンライン旅行子会社とオポドを統合して新会社を設立する計画を打ち出し、4月19日付で欧州委に認可を申請していた。

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オポド、ゴー・ボヤージュ、イー・ドリームは共に航空券や旅行商品のオンライン販売を手掛け、3社の事業はフランス、ドイツ、イタリア、スペイン、英国、ポルトガルで重複している。しかし、欧州のオンライン旅行市場ではエールフランスやアリタリアなどの大手航空会社、格安航空会社のイージージェットやライアンエアー、世界最大級のオンライン旅行会社エクスペディアなど多くの有力プレーヤーが激しいシェア争いを展開している。このため欧州委はアクサとパーミラの合弁計画を認めても、引き続き公正な競争が維持されると結論づけた。

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