2011/6/20

欧州ビジネスウオッチ

テレックス、独デマーグ買収が確実に

この記事の要約

クレーン大手の米テレックスは16日、独同業デマーグ・クレーンズへの株式公開買い付け(TOB)で株主からの買い取り額を従来の1株当たり41.75ユーロから45.50ユーロへと引き上げた。デマーグの経営的な自立性も認めるなど […]

クレーン大手の米テレックスは16日、独同業デマーグ・クレーンズへの株式公開買い付け(TOB)で株主からの買い取り額を従来の1株当たり41.75ユーロから45.50ユーロへと引き上げた。デマーグの経営的な自立性も認めるなど大幅に譲歩しており、デマーグは同日、株主に対しTOBに応じるよう呼びかける見通しを明らかにした。

\

テレックスはデマーグ買収計画を5月初旬に発表した。デマーグはこれに対し、新興国の旺盛なインフラ需要拡大を背景に同社の業績が中期的に大きく伸びる見通しが反映されていないとして受け入れを拒否。同社の大株主も同様の立場を打ち出していた。15日までにTOBに応じた株主はほとんどいない。

\

テレックスはこれを受け、TOB価格を約9%引き上げたほか、デマーグに対して◇買収後も同社の経営・戦略的な自立性を認める◇現経営陣を据え置く◇買収後5年間は事業拠点を維持し、同3年間は経営上の理由による整理解雇を見合わせる◇ラオエン社長をテレックスの取締役として招へいする――ことを確約した。デマーグが他社による買収から身を守るために中国企業と結んだ戦略提携についても存続を認める

\