2011/6/27

欧州ビジネスウオッチ

英SABミラー、豪ビール最大手に買収提案

この記事の要約

豪ビール最大手フォスターは21日、英同業SABミラーから総額95億豪ドル(約70億ユーロ)での買収提案を受けたと発表した。買収が実現すると、ビール業界では2008年に英スコティッシュ・アンド・ニューカッスル(S&#038 […]

豪ビール最大手フォスターは21日、英同業SABミラーから総額95億豪ドル(約70億ユーロ)での買収提案を受けたと発表した。買収が実現すると、ビール業界では2008年に英スコティッシュ・アンド・ニューカッスル(S&N)をハイネケンとカールスバーグが分割買収して以来の大型案件となるが、フォスター側は買収価格が低すぎるとして拒否を表明している。

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フォスターは「ヴィクトリア・ビター」などのブランドを持ち、国内シェア50%を握る。同社によると、SABミラーは1株当たり4.9豪ドルでの買収を提案した。20日終値に8.2%を上乗せした水準だ。

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これに対してフォスターの取締役会は、「当社の価値を過小評価している」として、即座に拒否を表明した。SABミラーは声明で、「提案した価格は魅力的で、フォスター株主にとって適正水準」とした上で、協議を通じて合意にこぎ着けたい考えを示している。市場ではSABミラーが買収額を引き上げるとの観測から、フォスターの株価が急騰している。

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世界のビール業界で買収・合併の動きが相次ぐ中、フォスターは5月に不振のワイン部門を分離したことから企業価値が高まり、新たな買収の標的として注目を集めていた。

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