2011/7/18

競争法

ティッセンクルップの昇降機カルテル、欧州裁が制裁33%減額を命令

この記事の要約

欧州司法裁判所の一般裁判所は13日、欧州委員会がエレベーターなど昇降機販売をめぐるカルテルで独ティッセンクルップに科した制裁金の33%減額を命じる判決を下した。\ 欧州委は2007年、ティッセンクルップとオーティス(米) […]

欧州司法裁判所の一般裁判所は13日、欧州委員会がエレベーターなど昇降機販売をめぐるカルテルで独ティッセンクルップに科した制裁金の33%減額を命じる判決を下した。

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欧州委は2007年、ティッセンクルップとオーティス(米)、シンドラー(スイス)、コネ(フィンランド)と三菱電機子会社の三菱エレベーター・ヨーロッパ(オランダ)が1995年から2004年にかけてドイツ、ベルギー、オランダ、ルクセンブルクの4市場(三菱エレベーターはオランダ市場)においてエレベーターとエスカレーターの販売や保守サービスの入札で談合を繰り返し、価格を吊り上げていたとして、総額9億9,230万ユーロの制裁金支払いを命じた。EUのカルテルに対する制裁としては、当時の史上最高額だった。

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ティッセンクルップの制裁額は全社で最高の4億7,966万9,850ユーロ。過去に鉄鋼カルテルで摘発された再犯企業であることから、罰金を通常より50%上乗せした。これに対して同社は制裁額が高すぎるとして提訴していた。

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欧州裁は、カルテルに加わったのはティッセンクルップの子会社だが、当時は同社の傘下になかったことから、再犯には当たらないとして制裁額を3億1,978万ユーロに引き下げるよう命じた。

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一方、欧州裁は同じく提訴していたオーティス、コネ、シンドラーについては訴えを棄却し、制裁額は妥当と認定した。3社の制裁額はオーティスが2億2,493万2,950ユーロ、コネが1億4,212万ユーロ、シンドラーが1億4,374万8,000ユーロ。

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