2011/8/1

産業・貿易

欧州の所定労働時間、10年はやや増加

この記事の要約

欧州生活労働条件改善財団が7月27日発表したEU加盟国およびノルウェーの労働時間に関する調査報告書によると、2010年のEU加盟27カ国の労働協約に基づく所定労働時間は週平均38時間で、前年を10分上回った。2004年以 […]

欧州生活労働条件改善財団が7月27日発表したEU加盟国およびノルウェーの労働時間に関する調査報告書によると、2010年のEU加盟27カ国の労働協約に基づく所定労働時間は週平均38時間で、前年を10分上回った。2004年以降に加盟した新規加盟12カ国の平均は前年から横ばいの39.7時間、旧加盟15カ国とノルウェーの平均は前年より10分長い37.6時間だった。

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報告書は、欧州労使関係観測所(EIRO)のデータを基に、所定労働時間、法定労働時間、実質労働時間、年間有給休暇について欧州各国の状況をまとめたもの。これによると、法定労働時間はベルギーで38時間、オーストリア、ブルガリア、エストニア、フィンランド、ラトビア、ポーランド、ノルウェー、ポルトガル、スロバキア、スペイン、スウェーデンで週40時間、それ以外の国では48時間となっている。

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残業などを含む実際の週当たりの労働時間は27カ国平均で39.7時間、旧加盟15カ国とノルウェーは39.4時間、新規加盟12カ国は39.9時間と、いずれも所定労働時間を上回った。週当たりの実際の労働時間を国別にみると、ルーマニアが41.3時間でもっとも長く、ルクセンブルクが40.8時間、英国が40.5時間でこれに次いだ。これに対し、もっとも労働時間が短かったのはフィンランドの37.8時間で、フランスが38.0時間、アイルランドが38.1時間で続いた。

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また、年間の有給休暇日数はEU全体平均で25.4日。国別ではデンマークとドイツが30.0日で最も多く、イタリアが28.0日で続いた。逆に有給休暇が少ないのはエストニアとキプロス(20.0日)、ルーマニア(21.0日)、ギリシャ(23.0日)で、それ以外の国は25日前後だった。

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