中国商務省は24日、中国が鉄鋼、アルミニウム、化学品の原材料となる鉱物の輸出を不当に制限しているとしてEUが米国などと共同で世界貿易機関(WTO)に提訴している問題で、原告側を支持した紛争処理小委員会(パネル)の裁定を不服として上訴する意向を表明した。
\EUと米国は2009年6月、中国が国内で産出するボーキサイト、コークス、マグネシウム、マンガン、黄リンなど9種類の鉱物を国内企業に優先的に回すため、関税や数量制限を設けて輸出を制限しているのはWTO協定および同国のWTO加盟時の合意に反するとして提訴。後にメキシコも加わった。
\WTOのパネルは7月初め、欧米側の主張を全面的に認め、中国に関税、数量制限の撤廃を命じた。これに対して中国商務省の報道官は24日の記者会見で「我々はなおWTOのルールに違反していないと考えている」と述べ、上訴に踏み切る考えを示した。
\EUは中国によるレアアース(希土類)の輸出規制についても批判し、WTOへの提訴を含めた対応を検討している。鉱物輸出をめぐるパネル裁定は同紛争でもEUに有利に働く見通しであることから、中国には受け入れがたいという事情がある。
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