2011/9/5

総合 –EUウオッチャー

EFSFの機能強化、独政府が承認

この記事の要約

ドイツ政府は8月31日の閣議で、財政危機に陥ったユーロ参加国に緊急金融支援を行う総額4,400億ユーロの「欧州金融安定基金(EFSF)」の機能強化を承認した。今後は同国議会で承認されるかどうかが焦点となる。\ ユーロ参加 […]

ドイツ政府は8月31日の閣議で、財政危機に陥ったユーロ参加国に緊急金融支援を行う総額4,400億ユーロの「欧州金融安定基金(EFSF)」の機能強化を承認した。今後は同国議会で承認されるかどうかが焦点となる。

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ユーロ参加国の政府保証によるEFSFは、深刻な財政危機に陥ったユーロ参加国に緊急金融支援を行う総額7,500億ユーロの「ユーロ防衛基金」の中核。これまでにギリシャ、アイルランド、ポルトガルに融資を行っている。

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ユーロ圏17カ国は7月21日の首脳会議で、EFSFの機能を強化し、危機に陥った国の国債を流通市場で買い取ることができるようにすることで合意。対象国が危機的状況に陥る前に緊急融資を行えるようにすることも決めた。ギリシャ危機の余波で国債利回りが急上昇しているイタリアとスペインが、深刻な危機に陥るのを防ぐ狙いがある。実施にはユーロ圏各国の正式承認が必要となる。

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ドイツは閣議・連邦議会(下院)の承認を経て、連邦参議院が9月末にEFSF機能強化の採決を行う予定。野党の社会民主党(SPD)、緑の党は支持を打ち出している。

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しかし、メルケル首相率いる連立与党内で、ドイツのEFSFに対する信用供与が1,230億ユーロから2,110億ユーロに膨らむことから、反発の声が挙がっており、予断を許さない状況だ。

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